フリーランス翻訳者になるには

ご存知のとおり、多くの翻訳会社でフリーランス翻訳者を募集しています。しかしながら「経験者に限る」という条件があるところが多く、フリーランスとして実績のない翻訳志願者はなかなか応募のスタート台に立てないことも少なくないようです。履歴書など応募書類を提出しても、実績がないことで書類審査の段階で振り落とされ、その後のトライアルまで進めない、ということも珍しくありません。
では、まだ実績のない志願者がフリーランス翻訳者として登録されるためには、どうしたらよいのでしょうか?

資格を取得する

翻訳会社は翻訳案件を所定の品質で納期通りにあげてくれる翻訳者を求めています。フリーランスとして実績のない翻訳志願者が翻訳会社のトライアルへと駒を進めるためには、まずは書類選考をパスしなければなりません。
翻訳者として前提になる、語学力を客観的に評価できる資格を取得しておくことは必要です(英検やTOEICなど)。また、翻訳能力を測る判断材料として、検定で資格を取得するのもよいでしょう(日本翻訳連盟(JTF)の「ほんやく検定」など)。翻訳会社によっては検定の資格でトライアルに進めるところもあります。
翻訳志願者のなかには、翻訳実績がないのにこうした資格取得の記載もない応募書類をまれに見かけます。選考側では応募書類から語学力を判断するすべがないため、このように実績も資格もない状態で書類選考をパスすることはまず難しいのが実情です。

専門知識

応募書類でのプラスポイントとして「専門知識」が挙げられます。
ここでいう「専門知識」とは、特定分野に精通していることです。またはその分野での実務経験がある、と言い換えられるかもしれません。ある一定レベルの語学力があることを前提とし、かつプラスアルファとして特定分野の専門知識を持っていることが書類選考のうえで強みになります。たとえば、部品メーカーで、社内で直接的に翻訳業務に携わっていなかったとしても、特定分野での経験が長い、専門知識に精通している、というのも書類選考上のプラスポイントです。つまり、専門性があればトライアルに進めるチャンスが高くなるのです。
翻訳会社は多種多様で、扱う分野、得意分野も多岐にわたります(A社は法律分野の翻訳に強い、B社は特許案件に強いなど)。自分が現在携わっている業務についての専門知識を求めている翻訳会社がどこかに存在するはずです。現在お仕事をされている方は、その分野を極めること自体が、翻訳者としてのキャリア形成に役立つこともあるでしょう。採用側から見て、こうした「専門知識」は志願者自身が思っている以上に重視しているものなのです。

実績作り

翻訳経験のない新規の翻訳志願者が書類選考をパスしてトライアルまで駒を進めるためには、実績を作っていく必要があります。
たとえば翻訳会社に入社して場数を踏む、企業内で翻訳に携わる仕事に従事して経験を積む、翻訳スクールで(もしあれば)仕事へとつながる機会を得る、クラウド翻訳などで経験を積み、実績作りをするなど、まずは行動に移すことです。
とはいえ、「言うはやすく、行うは難し」でしょう。ですがチャンスはゼロではありません。

トライアルに備えて

書類審査に通ったら、次はトライアルです。日々の語学の勉強はもちろんですが、和訳案件に関していえば、わかりやすい日本語を書けることは必須条件です。いくら外国語の文章を正しく読み取っても、それが第三者に正しく、かつわかりやすい日本語で伝わらなければ意味がありません。日頃から新聞などをよく読んだり、プロの文章に触れる機会を増やしたり、日々の鍛錬が求められるところです。

最後に一言

書類審査は、まだ実績のない翻訳志願者が最初に直面する、そして越えなければならない関門です。まれにですが、いかにも「ひな型」を使ったような、定型化された履歴・応募書類を見かけます。採用側からすると、あまり良い印象は持ちません。自分なりの言葉で率直に、自身の強みをアピールする応募書類に勝るものはありません。
いつか一緒にお仕事ができるのを楽しみにしています。頑張ってくださいね。