翻訳コーディネータの腕の見せ所
~依頼時のポイント

翻訳の質は、いろいろな制約があるなかで、最もふさわしい翻訳者さんにアサインできるかにかかっています。翻訳コーディネータの腕の見せ所であると同時に、責任も重大です。
本稿では翻訳依頼時に気を付けるべき重要なポイントをいくつか紹介しましょう。

翻訳言語

ソース言語とターゲット言語を確認して、適切な翻訳者さんがいるか確認しましょう。英語の場合は、事前にアメリカ英語かイギリス英語かを確かめておきます。同様に中国語には簡体字・繁体字、スペイン語にはバスク語もあることやヨーロッパ向けと南米向けなど、言語によっては複数の仕向けがあることを留意しておきましょう。

翻訳分野

翻訳する分野は契約書やマニュアル、特許、医薬、金融等多岐に渡ります。優秀な翻訳者さんは特定の専門分野に特化しているため、たとえばメディカル専門の翻訳者さんは法律分野に対応できないと考えてよいでしょう。ミスマッチを防ぐためにも原文を一読してどんな内容・分野かを見極めることが大切です。

分量

原文の内容や条件にもよりますが、一般的に翻訳者さんが1日に処理できる量は英日1,000~2,000ワード、日英3,000~4,000文字です。以上のことを念頭に、翻訳に要するおおまかな日数を計算します。

納期

翻訳の納期はほとんどがタイトです。悩ましいのは、優れた翻訳者さんはいつでも日程が埋まっていることが多いことです。日頃から翻訳者さんのスケジュールを把握しておくと共に、優先度により周りのコーディネータ同士で日程を融通しあうことも検討するといいですね。

データ形式

Word、Excel や PowerPoint などの一般的なファイルの場合は問題ありませんが、InDesign や xml の場合は、翻訳者さんがすぐに作業にかかれるようデータを変換してから翻訳者さんにデータを渡しましょう。

スタイル

表記や文体をまとめたスタイルガイド、用語集、参考資料があると翻訳の効率が上がり、翻訳後のチェックも容易になります。可能な限り準備しましょう。

仕上がりレベル

事前に翻訳文の最終読者や使用目的をお客様からヒアリングして、仕上がりのレベルを指示しましょう。

頻繁なコミュニケーション

翻訳を依頼した後も指示が的確に伝わったか、あるいは翻訳中に問題・疑問点が発生していないか途中経過をチェックするなど、翻訳者さんとのコミュニケーションを欠かさないことが重要ですね。

まとめ

翻訳コーディネータは、お客様と翻訳者さんとの懸け橋です。
お客様に高品質な翻訳を届けるためには、より正確な情報を適切な形で伝えることが大切ですね。そのためにも、上記のポイントをぜひ参考にしてみてください。